タイトル
2020 年度 第1学期
環境理工学部 環境デザイン工学科
日英区分: 日本語
コンクリート構造設計学I
Design of Concrete Structure I
 
講義番号 科目区分 学期
102015 専門科目 第1学期
ナンバリングコード 教室
MDCA0ESCZ3001N 環境理工学部棟101講義室
必修・選択の別
必修
単位数 曜日・時限
2 火7,火8,金1,金2
担当教員(ローマ字表記)
綾野 克紀 [AYANO Toshiki], 藤井 隆史 [FUJII Takashi]
持続可能な開発目標(SDGs)
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
対象学生
環境デザイン工学科3年生
他学部学生の履修の可否
連絡先
綾野克紀:086-251-8156,toshiki@okayama-u.ac.jp
藤井隆史:086-251-8155,t-fujii@okayama-u.ac.jp
オフィスアワー
随時.ただし,前もって電話またはメールにて予約すること.
学部・研究科独自の項目
該当なし
使用言語
日本語
授業の概要
橋梁や建築等の材料として用いられるコンクリートは,圧縮力に対しては強いが,引張力に対しては弱い.引張力に強い鋼材を用いてコンクリートを補強する構造として,鉄筋コンクリート構造およびプレストレストコンクリート構造がある.このように異なる性質を有する材料によって構成される複合構造物の設計法とその力学的諸性質について講述する.
学習目的
材料の諸性質を明らかにするとともに,構造設計について論じる.特に,限界状態設計法および許容応力度設計法の概念について説明する.つぎに,曲げ,軸力およびせん断に対するコンクリート部材の抵抗のメカニズムを明らかにし,耐力の計算手法を示す.さらに,持続的な社会発展を支えるために,環境負荷低減の観点より,構造物の環境設計,維持管理,補修・補強の概念を講述する.なお,内容の理解を容易にするため,適宜演習問題を課す.
到達目標
数学・自然科学の基礎力,環境工学及び土木工学分野の基礎力,問題を発見し,課題を設定する能力,検討・分析し結論を導く能力を育む.具体的には,以下の5項目の知識・能力を修得することを目標とする.
1.自然科学の知識を応用して,論理的な思考する能力.
2.構造設計のための力学の知識.
3.構造物を設計するために必要な課題を設定する能力.
4.構造物が施工される現場の制約条件を理解できる能力.
5.適切な設計が行える能力
授業計画
当面の間,Moodleに課題を出します.
教科書およびアップロードされた資料を各自で勉強して,課題を解いてアップロードして下さい.

第1回:概説(技術倫理を含む)
第2回:鉄筋コンクリートの特徴と構造
第3回:鉄筋の材料学
第4回:鉄筋とコンクリートの材料力学
第5回:使用荷重下において曲げを受ける部材(1)(単鉄筋断面の解説)
第6回:使用荷重下において曲げを受ける部材(2)(単鉄筋断面の演習)
第7回:使用荷重下において曲げを受ける部材(3)(複鉄筋断面の解説)
第8回:使用荷重下において曲げを受ける部材(4)(複鉄筋断面の演習)
第9回:終局荷重下において曲げを受ける部材(1)(つり合い鉄筋比)
第10回:終局荷重下において曲げを受ける部材(2)(単鉄筋断面の解説)
第11回:終局荷重下において曲げを受ける部材(3)(複鉄筋断面の解説)
第12回:終局荷重下において曲げを受ける部材(4)(演習)
第13回:鉄筋コンクリート部材の設計法(限界状態設計法)(1)(解説)
第14回:鉄筋コンクリート部材の設計法(限界状態設計法)(2)(演習)
第15回:限界状態設計法における曲げの設計のまとめ(1)(T型断面の弾性解析)
第16回:限界状態設計法における曲げの設計のまとめ(2)(T型断面の曲げ耐力)
第17回:軸力と曲げを受ける部材(1)(鉄筋コンクリート柱の耐荷機構)
第18回:軸力と曲げを受ける部材(2)(コンクリート標準示方書による設計法)
第19回:軸力と曲げを受ける部材の軸耐力(解説)
第20回:軸力と曲げを受ける部材の曲げ耐力(解説)
第21回:軸力と曲げを受ける部材の設計演習(1)(軸耐力)
第22回:軸力と曲げを受ける部材の設計演習(2)(曲げ耐力)
第23回:無筋の相互作用図(解説)
第24回:相互作用図の演習
第25回:せん断力を受ける部材(1)(はりに作用する応力と耐荷機構)
第26回:せん断力を受ける部材(2)(はりのせん断破壊と耐荷機構)
第27回:せん断力を受ける部材(3)(コンクリート標準示方書によるせん断設計法)
第28回:せん断力を受ける部材(4)(演習)
第29回:繰返し荷重を受ける部材(1)(解説)
第30回:繰返し荷重を受ける部材(2)(演習)
第31回:コンクリート構造物の設計のまとめ
最終試験
授業時間外の学習(予習・復習)方法(成績評価への反映についても含む)
授業前には,該当箇所の教科書を一読しておくこと.
また,数回のレポート提出を行う.
授業形態
(1)授業形態-全授業時間に対する[講義形式]:[講義形式以外]の実施割合
70% : 30%
(2)授業全体中のアクティブ・ラーニング
協働的活動(ペア・グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションなど)
少ない
対話的活動(教員からの問いかけ、質疑応答など)
やや少ない
思考活動(クリティカル・シンキングの実行、問いを立てるなど)
やや少ない
理解の確認・促進(問題演習、小テスト、小レポート、授業の振り返りなど)
やや多い
(3)授業形態-実践型科目タイプ
該当しない
(4)授業形態-履修者への連絡事項
特別な配慮を必要とする場合は,事前に相談すること.
簡単な計算をすることがあるので,電卓を持参するとよい.
使用メディア・機器・人的支援の活用
視聴覚メディア(PowerPointのスライド、CD、DVDなど)
少ない
学習管理システム(Moodleなど)
少ない
人的支援(ゲストスピーカー、TA、ボランティアなど)
少ない
履修者への連絡事項
特別な配慮を必要とする場合は,事前に相談すること.
教科書
備考
吉川弘道著「鉄筋コンクリートの設計-限界状態設計法と許容応力度設計法-」(丸善)
参考書
備考
プレストレストコンクリート工学会「フレッシュマンのためのPC講座」
土木学会「コンクリート標準示方書(設計編)」
日本道路協会「道路橋示方書・同解説(I共通編,IIIコンクリート橋・コンクリート部材編,IV下部構造編,V耐震設計編)」
成績評価基準(授業評価方法)
講義期間中に数回の演習を予定している.
演習および最終試験で評価する.出席日数が3分の2未満の場合,単位は認められない。 なお,到達目標に対する評価方法は下記の通りである.
1.設計における不確かな要素を安全係数を用いてカバーする設計体系が理解できている.
2.鉄筋コンクリート構造物における,鋼材とコンクリートの役割が理解でき,曲げ耐力,せん断耐力が求められる.
3.使用限界状態,終局限界状態および疲労限界状態のそれぞれにおいて照査すべき項目および照査手法が説明できる.
4および5.構造物の計画,設計,施工,維持管理の流れが身に付いている.
担当教員の研究活動との関連
担当教員は,コンクリートの耐久性,高性能化,リサイクル,時間依存変形挙動等,コンクリート工学における幅広い研究テーマに取り組んでいる.この講義は,担当教員の専門分野の中核をなす講義である.
受講要件
予め「力学の基礎」「構造力学I」を履修しておく必要がある。
教職課程該当科目
高等学校教諭一種免許状(工業)
入学年度の学生便覧を参照してください。
JABEEとの関連
土木及び関連の工学分野に関する分野別要件:
○土木材料・施工・建設マネジメント,
◎構造工学・地震工学・維持管理工学
持続可能な開発目標(SDGs)

(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
実務経験のある教員による授業科目
該当する
備考/履修上の注意/実務経験の内容
担当教員は,土木学会コンクリート標準示方書,各種設計施工指針,日本工業規格等の作成,審議に携わっている。

将来,構造物の設計に関係する仕事をしたいと考えている学生に,重要かつ基礎的科目である.芸術的美ではなく,機能美を目指した橋梁の設計とそのフィロソフィーを講述する。
コンピテンシー
項目割合
【 教 養 】倫理的に考える力 
【 教 養 】論理的に考える力25%
【 専門性 】専門的な知識25%
【 専門性 】問題を発見する力25%
【 情報力 】情報を収集し、分析し、活用する力25%
【 行動力 】コミュニケーション力 
【 行動力 】リーダーシップをもって計画的に実行する力 
【自己実現力】自己を確立する力 
関連割合の合計100%
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